MT4でプッシュ通知を設定したのにスマホへ届かない時は、価格アラートだけを見ても原因に届かないことがあります。プッシュ通知は、PC側MT4のNotifications設定、スマホ側MetaTraderアプリのMetaQuotes ID、アラート側のAction、端末の通知許可、インジケーターやEA側の通知設定が重なって動くためです。
この記事では、MT4のプッシュ通知がスマホに届かない時に見ることを、通知の種類、MetaQuotes ID、Test結果、アラート条件、スマホ側の通知設定、VPSや別PC利用時、インジケーターやEAからの通知に分けて扱います。画面をあちこち触る前に、どこで止まっているかを順に切り分けていきましょう。
まずプッシュ通知とメール通知を分けて見る
MT4の通知には、画面上のアラート音、メール通知、スマホへのプッシュ通知などがあります。スマホに届かない時に、Email設定やSMTPを見ても、プッシュ通知の原因には届かないことがあります。メール通知とプッシュ通知は、設定画面も使う仕組みも別です。
プッシュ通知を見る時の中心は、Tools→Options→Notificationsです。メール通知を見る時の中心はEmailタブです。標準アラート側ではActionにNotificationを選びます。この3つを混ぜると、設定したつもりなのにスマホへ届かない状態になりやすくなります。
PC上のMT4で音を鳴らす通知です。スマホへ届く通知ではありません。音だけ動く場合、価格条件は発火している可能性があります。
EmailタブのSMTP設定を使う通知です。メールアドレスへ送るもので、MetaQuotes IDを使うプッシュ通知とは別です。
スマホのMetaTraderアプリへ送るプッシュ通知です。Notificationsタブ、MetaQuotes ID、スマホ側の通知許可を見ます。
インジケーターやEAが内部で通知関数を使う場合があります。標準アラートとは別に、パラメーターやログも見る必要があります。
PC側MT4のNotifications設定を見る
プッシュ通知を使う場合は、PC側のMT4でNotifications設定を開きます。公式ヘルプでは、Push notificationsはiOSやAndroidのモバイル端末へ短いメッセージを送る機能で、NotificationsタブにMetaQuotes IDを指定して使うと説明されています。
見る場所は、MT4のメニューから「Tools」→「Options」→「Notifications」です。ここで「Enable Push notifications」を有効にし、スマホ側で確認したMetaQuotes IDを入力します。設定だけ入力しても、Enableがオフなら送れません。
| 項目 | 見ること | つまずきやすい点 |
|---|---|---|
| Enable Push notifications | PC側MT4からスマホへ通知を送る機能を有効にする項目です。 | MetaQuotes IDを入れていても、Enableがオフなら送信されません。 |
| MetaQuotes ID | スマホアプリ側に表示されるIDをPC側MT4へ入力します。 | メールアドレスや口座番号ではありません。数字や文字の打ち間違いも見ます。 |
| Test | 入力したIDへテスト通知を送ります。 | Testが届かない時は、標準アラートの条件よりもID、通知許可、通信状態を先に見ます。 |
| Notify of trade operations | 取引操作に関する通知を送るための設定です。 | 価格アラートをスマホへ送りたいだけなら、この設定だけ見ても原因が分からない場合があります。 |
スマホ側でMetaQuotes IDを見直す
プッシュ通知で特に多いのは、MetaQuotes IDの取り違えです。公式ヘルプでは、MetaQuotes IDはモバイル端末のMetaTraderアプリ内で確認すると説明されています。PC側のログインID、取引口座番号、メールアドレスとは別物として見ます。
スマホを機種変更した、アプリを入れ直した、MT4ではなくMT5アプリを見ている、別端末のIDを使っている場合、PC側に入れたIDと通知を受けたいスマホがずれていることがあります。設定を触る前に、通知を受けたいスマホのアプリでIDを見直します。
Test通知が届くかで原因を分ける
Notifications設定にはTestがあります。Testが届くかどうかで、問題の場所をかなり分けられます。Testが届かない場合は、標準アラートの価格条件以前に、MetaQuotes ID、Enable、スマホ側通知許可、アプリの通信状態を先に見ます。
一方で、Testは届くのに実際のアラート通知だけ届かない場合は、PCとスマホの接続設定は通っている可能性があります。その場合は、アラート側のAction、Condition、Value、Expiration、Maximum iterations、またはインジケーターやEA側の通知設定へ戻ります。
MetaQuotes ID、Enable、スマホ側通知許可、スマホの通信状態、アプリのインストール状態を見ます。標準アラート条件を触る前に、通知経路そのものを見ます。
PC側MT4からスマホへの通知経路は動いている可能性があります。次はアラート側のActionや条件、またはインジ・EA側の通知設定を見ます。
標準アラート側でActionがNotificationかを見る
MT4の標準アラートには、Sound、File、Email、NotificationなどのActionがあります。スマホへプッシュ通知を送りたい場合、アラート編集画面でActionがNotificationになっている必要があります。SoundのままならPCで音が鳴るだけですし、Emailのままならメール通知側の設定を使います。
また、標準アラートが発火しない状態では、Notificationにしていてもスマホへは届きません。Condition、Value、Symbol、Expiration、Maximum iterationsを見ます。特に、作った時点では正しかった価格条件でも、現在価格との関係が逆になっていると、思ったタイミングで通知されないことがあります。
| 項目 | 見ること | スマホ通知での注意点 |
|---|---|---|
| Action | Notificationになっているかを見ます。 | SoundやEmailではスマホプッシュ通知にはなりません。 |
| Symbol | 対象の通貨ペアや銘柄が意図したものかを見ます。 | 別銘柄のアラートを作っていると、待っているチャートでは動きません。 |
| Condition | BidやAsk、上抜け・下抜けの条件を見ます。 | 価格条件の向きが逆だと、通知設定が正しくても届きません。 |
| Value | 通知したい価格が正しいかを見ます。 | 桁数や小数点、銘柄の価格表示を見落とすと、想定外の条件になります。 |
| Expiration | 期限切れになっていないかを見ます。 | 古いアラートは残っていても、期限や回数条件で動かない場合があります。 |
スマホ側の通知許可とアプリ状態を見る
PC側MT4のTestが正常でも、スマホ側の通知許可がオフなら画面上に出ないことがあります。スマホ本体の通知設定でMetaTraderアプリの通知が許可されているか、集中モードや省電力モードで通知が抑えられていないかを見ます。
また、スマホアプリ側のMessages画面には届いているのに、バナーや音が出ていない場合もあります。この場合は、PC側の問題ではなく、スマホ側の通知表示、サウンド、ロック画面表示の問題として見ます。届いていないのか、届いているが目に入っていないのかを分けることが大切です。
スマホ本体の設定で、MetaTraderアプリの通知が許可されているかを見ます。アプリ内ではなくOS側で止まることがあります。
画面上の通知は出なくても、アプリ内のMessagesには届いている場合があります。届いている場所を分けて見ます。
スマホ側の省電力設定や集中モードで、通知の表示や音が抑えられることがあります。
アプリを再インストールした後は、MetaQuotes IDが変わっていないか、通知許可が戻っていないかを見ます。
PCやVPS側のMT4が動いているかを見る
プッシュ通知は、PC側MT4からスマホへ送られます。標準アラートやインジケーター、EAが通知を出すには、そのMT4が動いている必要があります。PCを閉じた、MT4を終了した、VPSが停止している、ネットワークが切れている場合は、条件に届いても通知が送られないことがあります。
VPSを使っている場合は、自宅PCのMT4ではなくVPS上のMT4にMetaQuotes IDを入れているかを見ます。自宅PCでTestが届いても、実際にインジやEAを動かしているのがVPSなら、VPS側の設定も別に必要です。複数のMT4を使っている人ほど、この取り違えが起きやすくなります。
どのMT4がアラートを出すのかを先に決めます。自宅PC、VPS、別口座、別ブローカーのMT4が混ざっていると、設定を直した端末と実際に通知を出す端末がずれていることがあります。通知が届かない時は、いま見ているMT4ではなく、アラートやインジを動かしているMT4側を見る必要があります。
インジケーターやEAからの通知は別に見る
インジケーターやEAがスマホ通知を出す場合、標準アラートのActionだけではなく、インジやEA側のパラメーターも見ます。公式ヘルプでは、MQL4プログラムからMetaQuotes IDへ通知を送る方法としてSendNotification関数が説明されています。つまり、インジやEA側で通知を出す作りになっていなければ、PC側のNotifications設定だけでは通知されません。
よくあるのは、標準アラートのTestは届くのに、インジの矢印サインだけ通知されないという状態です。この場合は、MetaQuotes IDの問題だけでなく、インジのアラート設定、プッシュ通知のオン・オフ、通知対象の足、確定足で鳴らすか現在足で鳴らすか、ログにエラーが出ていないかを見ます。
ラボメモ
プッシュ通知が届かない時は、「スマホが悪い」「MT4が悪い」と一つに決めず、Test、標準アラート、インジ・EA側通知を分けて見ると原因を追いやすくなります。
特にVPSや複数MT4を使っている場合は、設定した端末と実際に通知を出す端末が同じかを先に見てください。
届かない時の見直し順
最後に、プッシュ通知が届かない時の見直し順をまとめます。最初からインジの設定を深追いするより、まず通知経路そのものを見て、その後に標準アラートやツール側へ進む方が混乱しにくくなります。
- メール通知ではなくプッシュ通知の問題かを分ける。
- PC側MT4のNotificationsでEnableがオンかを見る。
- スマホアプリ側のMetaQuotes IDを見直す。
- PC側MT4のTest通知が届くかを見る。
- Testが届くなら、標準アラート側のActionがNotificationかを見る。
- アラートのCondition、Value、Expiration、Maximum iterationsを見る。
- スマホ本体の通知許可、省電力、集中モードを見る。
- VPSや別PCで動かしている場合は、そのMT4側にも同じ設定があるかを見る。
- インジやEAからの通知なら、ツール側の通知パラメーターとログを見る。
スマホ通知は便利ですが、届かない時に原因が見えにくい機能でもあります。通知そのものを取引判断の中心にするのではなく、チャート確認や検証作業を補助する道具として扱うのが無難です。
本記事は、MT4の通知設定や見直し手順を整理するための一般情報です。プッシュ通知の到達やタイミングは、端末設定、通信環境、アプリ状態、ツール側の作りによって変わります。特定の通知設定やツールで取引結果を保証するものではありません。
- MetaTrader 4 Help|Notifications – Client Terminal Settings
https://www.metatrader4.com/en/trading-platform/help/setup/settings_notifications - MetaTrader 4 Help|Alerts – Terminal
https://www.metatrader4.com/en/trading-platform/help/overview/terminal/terminal_alerts - MQL4 Reference|SendNotification
https://docs.mql4.com/common/sendnotification