ドローダウンとは|EAやインジ検証で見落としやすい数字

DRAWDOWN

最終損益より先に、途中の落ち込みを見る

EAやインジケーターの検証結果を見るとき、最終的な損益や残高曲線の右肩上がりに目が向きやすくなります。ただし、途中でどれくらい大きく資金が落ち込んだのかを見落とすと、実際に使う時の負担を小さく見積もってしまいます。

この記事では、ドローダウンの基本、MT4レポートで見かける絶対ドローダウン・最大ドローダウン・相対ドローダウンの違い、EAやインジ検証で見る時の注意点を扱います。

ドローダウンは資金の落ち込み幅を見る数字

ドローダウンは、口座残高や有効証拠金が、ある高い地点からどれくらい落ち込んだかを見るための数字です。EAのバックテストでは、最終的に資金が戻っていても、途中で大きく落ち込んでいる場合があります。

たとえば、残高が大きく伸びたあとに深く下がり、その後また戻った場合、最終結果だけを見ると悪くないように見えることがあります。しかし、運用している途中では、その落ち込みに耐える必要があります。

  • 一時的にどれくらい資金が減った場面があったか。
  • 残高ベースなのか、有効証拠金ベースなのか。
  • 金額で見るのか、割合で見るのか。
  • その落ち込みが、口座資金やロットに対して大きすぎないか。

ドローダウンは、EAや手法の良し悪しを単独で決める数字ではありません。それでも、リスクを読む時には外せない項目です。

MT4レポートで見かける3つのドローダウン

MT4のストラテジーテスターやレポートでは、ドローダウンに関する複数の項目が出てきます。似た言葉ですが、見ている基準が少しずつ異なります。

項目 見る内容 読み違えやすい点
絶対ドローダウン 初期資金から見て、どれくらい下へ落ち込んだかを見る項目です。 初期資金を基準にするため、途中で資金が増えた後の落ち込み全体を読むには別の項目も見ます。
最大ドローダウン 局所的な高値から、その後の安値までの最大の落ち込み幅を金額で見る項目です。 金額が大きくても、口座資金に対する割合がどの程度かをあわせて見る必要があります。
相対ドローダウン 高い地点からどれくらい下がったかを割合で見る項目です。 割合が大きい場合、最終的に戻っていても、運用中の負担はかなり重くなります。

MT4のヘルプでは、最大ドローダウンは局所的な最大値から次の最小値までの差、相対ドローダウンはその落ち込みを割合で見る項目として説明されています。数字の名前だけで判断せず、どの基準からの落ち込みなのかを分けて読むことが大切です。

ドローダウンを見る時の順番

ドローダウンは、数字だけを単独で見るよりも、テスト条件や取引内容とあわせて読む方が扱いやすくなります。特にEAの検証では、どの通貨ペア、どの時間足、どの期間で出た落ち込みなのかを先に見ます。

STEP 1 テスト条件を見る 通貨ペア、時間足、期間、初期資金、ロット、パラメーターを先に見ます。条件が違えば、同じドローダウン率でも意味が変わります。
STEP 2 金額と割合を両方見る 最大ドローダウンの金額だけでなく、相対ドローダウンの割合も見ます。資金量に対して大きすぎないかを考えます。
STEP 3 落ち込みの場面を見る どの期間、どの値動きで大きく崩れたのかを取引履歴やグラフで見ます。一部の相場に弱い可能性もあります。
STEP 4 運用中に耐えられるかを見る 過去データで戻っていても、実際に同じ落ち込みを見ながら運用を続けられるかは別問題です。

リスク確認メモ

ドローダウンを見る時は、最終的に戻ったかどうかだけでなく、途中でどれくらい資金が落ち込んだかを見ることが大切です。

数字が小さく見えても、ロット、口座資金、証拠金維持率、運用期間を分けて読まないと、リスクを軽く見積もりやすくなります。

EAやインジ検証で見落としやすい点

ドローダウンは、EAのバックテストだけでなく、インジケーターや裁量補助ツールの検証を見る時にも関係します。サインや条件がうまく見える場面だけでなく、合わない相場でどれくらい崩れるかを読む材料になります。

残高と有効証拠金を混同しない

確定した損益だけを見る残高と、保有中ポジションの含み損益を含めた有効証拠金では、見え方が変わります。ナンピン系や複数ポジションを扱うEAでは、確定損益の曲線が落ち着いて見えても、含み損が大きくなっている場合があります。

一部の期間だけ大きく崩れていないか

全体のテスト結果が悪く見えなくても、特定の相場だけで大きく落ち込んでいることがあります。トレンド相場、レンジ相場、急変時など、どの場面でドローダウンが深くなったかを見ると、使う条件を考えやすくなります。

ロット変更で印象が変わる

同じロジックでも、ロットを大きくすると金額ベースのドローダウンは大きくなります。パラメーターやロットを変えた結果を見る時は、最終損益だけでなく、落ち込み幅も同時に変わっていないかを見ます。

ナンピン系ではドローダウンを特に重く見る

ナンピンやマーチンゲールを含むEAでは、含み損を抱えたままポジションが増える場面があります。そのため、残高曲線だけを見ると落ち着いて見えても、途中の有効証拠金や必要証拠金には注意が必要です。

  • ポジション数が増えた場面で、ドローダウンが深くなっていないか。
  • ロットが段階的に大きくなる設計ではないか。
  • 証拠金維持率やロスカット水準に近づく場面がないか。
  • テスト期間に急変相場や長い一方向の値動きが含まれているか。
  • 最大ドローダウンの直前と直後に、どのような取引が並んでいるか。

残高曲線だけでは足りない

ナンピン系では、確定損益よりも先に、含み損と必要証拠金が膨らむことがあります。最終的に戻ったバックテストでも、途中で口座が耐えられない水準まで近づいていないかを見る必要があります。

用語を先に押さえる

ドローダウンは、バックテスト、証拠金維持率、ロスカット、ロットとつながって読むと理解しやすくなります。気になる用語は、用語集で短く見てから検証記事へ戻ると、数字の意味を追いやすくなります。

参考にした公式情報

この記事では、MT4のストラテジーテスター結果とレポート表示、FX取引のリスクに関する公式情報を参考にしています。